古河記念基金の給付型奨学金
対象者
2025年4月時点で、日本の4年制大学、6年制大学の学部2年以上、および大学院に在学する理工科系専攻(医学系、獣医学系、薬学系を含む)の日本国籍の学生であること。
卒業までの進級が十分見込めること。
所得制限
2024年の年収が900万円(税込み、兄弟・姉妹の収入および年金収入は除く)以下
併用
他の奨学金との併給可
提出書類
以下の書類をご提出下さい。
(1) 公益財団法人古河記念基金 奨学生応募用紙(写真添付) 2頁
(https://www.disclo-koeki.org/08a/00991/7-2025.xlsx)
(2) 2025 年4月現在在学する大学・大学院の在学証明書 1 通 (4月1日現在の学年を証明する進級・進学証明書でも可。)
(3) 大学1年次からの成績証明書 1 通
(4) 小論文:当基金制定のもの(https://www.disclo-koeki.org/08a/00991/9-2025.docx)
※提出していただいた書類は、当基金において保管あるいは処分させていただき、返却はいたしません
奨学金の金額と期間
国立・公立在学者で自宅通学者 :月額30,000 円
国立・公立在学者で自宅外通学者 :月額 35,000 円
私立在学者で自宅通学者 :月額 35,000 円
私立在学者で自宅外通学者 :月額 40,000 円
期間は正規の最短修業期間で最長6年間
応募の方法 と期間
団体に直接応募します。提出締切は2025年4月8日(火)です。
この奨学金は指定校推薦制度を併用しており、よって、大学を通して応募するところもあるようです。その場合、大学での応募締切は大学によって異なります。
送付先
〒100-0004 東京都千代田大手町2-6-4 常盤橋タワー 古河三水会内 公益財団法人古河記念基金
5月下旬に開催する奨学生等選考委員会において採用の可否を決定し、その結果は直ちに応募者に郵便でお知らせします。
採用された学生は、「奨学金支給願書」、「保護者の前年収入証明書(2024年の源泉徴収票のコピー等)」等の必要書類を提出することになります。
課題提出
応募用紙に、この奨学金を希望する理由の作文あり。
小論文あり。
テーマは「大学(学部・大学院)で何を学び、研究し、これをもとにどのような社会貢献を果たしたいと考えているか」
字数の制限 は800字以内で、当基金制定の用紙 2 頁 ※「題名」は小論文の内容から各自で設定して下さい
受かるコツ
当団体はこの奨学金の次のような選考基準と趣旨を提示しています。
選考基準
(1) 当基金の趣旨に合致すること。
(2) 学業成績や取得単位数が優秀であること。
(3) 特に金属その他資源関係を優先とする。
趣旨
当基金は、成績優秀であるが経済的理由により修学困難な理工科系専攻、特に金属その他資源関係の学生に優先的に奨学金を授与する事業を行う。
→以上のように、金属その他資源関係が優先されます。よって、あなたの研究内容とこれらの分野を積極的に関連付けましょう。
さらに、当団体は定款において、自身の目的をこう説明しています。
「この法人は、明治・大正期に寄付による教育施設への貢献、また経済的理由により修学困難な学生の庇護等に努めた故古河虎之助夫妻の遺風を継承拡充し、一般有為の修学困難な学生に対する奨学援護、理工科に関する研究機関及び研究者に対する援助、その他この法人設立の趣旨に合致する事業を行い、社会有用の人材の育成強化、諸外国との友好親善、及び科学技術の振興に寄与することを目的とする」。
すなわち、この奨学事業の目的は「社会有用の人材の育成強化、諸外国との友好親善、及び科学技術の振興に寄与すること」にあります。
よって、あなたがこの奨学金を得て大学で学び、その成果を社会貢献・諸外国との友好親善・科学技術の振興のために活用すると示しましょう。もちろん、その成果は金属や資源関係に深く関係するものにしましょう。
考えるためのヒント
「社会有用の人材の育成強化、諸外国との友好親善、及び科学技術の振興」の三つについて、考えるためのヒントを少し提供しましょう。
「社会有用の人材」の社会を、日本社会だと捉えて、考えてみましょう。その場合、日本はしばしばいわれるように、ながらく資源の少ない国です。世界的な工業国でありながら、多くの工業資源(金属含む)を海外から輸入し、それを加工して、製品を輸出してきました。そのようにして経済発展してきました。
資源の輸入には、そもそも、外国との友好親善が求められます。というのも、敵国や非友好国は自国の資源を日本に輸出しなかったり、多額の関税をかけたりするでしょう。
また、日本が輸入ルート上(たとえば輸入のための海洋ルート上)で敵国や非友好国の海岸沿いを通るなら、その海域は船舶の移動が危険かもしれません。日本の輸送船が襲われたり、通行妨害されたりしたら、他国からの輸入はできません。
そのため、外国から資源を安定的に輸入するには、そもとも外国との友好親善を推進すべきです。
他方で、科学技術の振興はこれら2点とも深く関わります。たとえば、工業製品などの技術発展により、製品の製作に必要な原材料(つまり資源)の種類や量が変わってきます。
これは日本社会の経済的な安全を確保するのに、重要なことです。たとえば、レアアースやレアメタルなどは産出国や地域が特定の国に偏っています。もし特定の部品を作るのに特定のレアメタルしか使えないなら、どうでしょう。
日本はその国への依存度がその分だけ高まります。その国との輸入ルートの安全確保にもそれだけ費用や手間暇がかかってしまいます。
しかし、同一の部品がいろんな種類のレアメタルでつくれるようになったら、どうでしょう。それらのレアメタルの輸入候補の国が増えます。その分、レアメタルの費用を安く、より安定的に入手できます。
よって、製品の安定供給がしやすくなります。会社の運営もその分だけ、安定します。このような日本企業が増えれば、日本経済も安定・発展しやすくなります。
あるいは、技術革新により、これまで利用できなかった資源が利用できるようになります。日本近海のメタンハイドレートのように、技術革新は日本の資源問題を大きく変え、日本を資源の輸入国から輸出国に変える可能性すらあります。
しかし、このような資源の獲得は戦争の主な誘因の一つとなってきました。ここでも外国との友好親善が鍵となってきます。
この奨学金は理系向けですので、主な応募者は科学技術の振興にもっとも直接関わる学生さんたちでしょう。資源関連の技術開発がどのような優れた社会的インパクトをもつのか。この点をよく考えて、応募書類を書きましょう。
具体的に、どう書くべきか
あなたはこれまでに、応募者の一部しか採用されない奨学金に応募して、受かったことがありますか?そのような奨学金の応募書類を書き慣れていますか?
もしそうでないなら、まずは応募書類の書き方について、 基本をおさえておきましょう。基本については、こちらへ
基本をおさえてから、この奨学金のための書き方のコツに移りましょう。奨学金を希望する理由の書き方のコツはこちらへ。学校で学んだことをどう社会に活かすかの書き方のコツはこちらへ。
こちらの奨学金も要チェック
→小・中学校、高校・高専、大学、大学院、短大・専門学校の学生、社会人がもらえる給付型奨学金のリスト。効率的に奨学金情報を集められます
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さらに、大型奨学金については、それらに特化した書き方の説明を詳しく行っています。キーエンス財団やトビタテ留学Japan、似鳥国際奨学財団、学振DCなど。対象は今後も追加予定です。
奨学金の選び方のポイント:奨学金を探す際に知っておきたい基礎知識
そもそも、奨学金の募集情報を見ても、よくわからない。「併用」ってなに?「奨学生の義務」って?そういう初心者の方向けに、奨学金情報の基本を分かりやすく解説します
→貸与型奨学金を借りる場合、どこから借りたらよいのか。そのポイントを説明しています。
→返済不要な奨学金がなかなか獲得できないので、教育資金が足りない。あるいは、奨学金だけでは教育資金が足りない。そういう方は少なくないでしょう。特に、留学を目指す場合はそうです。そこで、教育資金を貯めるコツを紹介します。
世界大学ランキングとトップ校の返済不要な奨学金リスト(2025−2026年
留学を目指している方、必見。世界の大学のレベルは「偏差値」ではなく、「世界大学ランキング」で表します。では、このランキングとはなんなのか。世界のトップ校はどこなのか。それを分かりやすく説明します。
※ところで、奨学金の獲得を目指す以外にも、教育・留学の資金を貯めるコツがあるのを知っていますか?
たとえば、節約方法は時とともに変化しており、新しいやり方も登場しています。それらをまとめて紹介しています。他方で、資金を貯めるには、やはり収入を増やすことが望ましいものです。そのための具体的な方法も紹介していきます。高校生から社会人・保護者まで実践できる各々の方法を紹介していきます。くわしくはこちらへ
出典 公式サイト
https://www.disclo-koeki.org/08a/00991