トビタテ!留学JAPAN (大学生等対象)の内容を紹介します。後半では、これに合格するための応募書類の書き方のコツを詳細に説明します。
※トビタテ(高校生等)のページはこちらへ。
なお、この奨学金には北海道バージョンがあります。北海道の方はこちらの応募も検討してみましょう。
北海道未来人財応援事業:ほっかいどう未来チャンレジ基金(2025−2026年
「コツ」の部分へは、以下の目次から飛ぶことができます。私自身は文系の博士(Ph.D)であり、これまで、海外留学で利用したものを含め、合計で1800万円以上の返済不要な奨学金を競争で獲得してきました。そのノウハウを全文無料で公開しています。どこよりも詳細に説明します。
トビタテ留学Japan(大学生) 新・日本代表プログラム(2025年版
対象者
次のすべての条件を満たすもの
日本国籍を有する者又は応募時までに日本への永住が許可されている者。我が国の大学、大学院、短期大学、高等専門学校(第4学年以上で専攻科を含む。)、 高等学校(専攻科)、中等教育学校(後期課程の専攻科)、特別支援学校(高等部の専攻科)及び専修学校(専門課程)に在籍する日本人学生。
2025年4月1日時点の年齢が30歳以下である者。
トビタテ!留学JAPAN 新・日本代表プログラム【高校生等対象】(第10期)に応募していない者。
過去に本制度又は「官民協働海外留学支援制度~トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム~」(以下、「旧制度」という。)の派遣留学生として採用されていない者
※ただし、以下の学生は本制度の要件を満たすものとみなします。
・過去に本制度【大学生等対象】又は旧制度大学生等コースの派遣留学生として採用された後、本人の責によらず留学開始前に辞退した者
・ 過去に旧制度の高校生コース又は地域人材コース高校生等枠の派遣留学生として採用された者
・ トビタテ!留学JAPAN 新・日本代表プログラム【高校生等対象】(第8期)又は(第9期)の派遣留学生として採用された者
所得制限
機構が実施する国内の奨学金「第二種奨学金」に掲げる家計基準を満たす者
※ただし、家計基準を超える場合であっても応募することができます。多様な留学計画の支援という観点から、支援予定人数全体の1割程度を上限に採用します。
成績制限
明記なし
併用・併給
留学中に行うインターンシップ等の報酬や他団体等から留学のための奨学金を受ける場合は、その平均月額(総額を留学期間の月数で除した金額)が、本制度による奨学金月額を超えないこと
留学計画の要件
次に掲げる要件を全て満たす留学計画を支援の対象とします。
留学先国・地域における留学開始日が2025年8月1日(金)から2026年3月31日(火)の間である計画
留学先国・地域における留学期間が28日以上1年以内(3か月以上を推奨)の計画
受入れ機関からの受入許可を留学開始前までに得ることができる計画
実践活動を含んでいる計画
※実践活動とは、座学や知識の蓄積型ではなく「実社会との接点」から多様な学びを得ることができる学修活動(インターンシップ、フィールドワーク、ボランティア、プロジェクトベースドラーニング、実験、実習に限らず、上記の趣旨に沿う多様な学修活動)のことをいいます。
※実践活動とその他の学修の割合は学生等が自由に立案することができ、実践活動のみの留学計画も支援の対象となります。
3つのコースのなかから選びます
イノベーターコース、 50 人:
自ら課題を設定し、解決に向けて新たな知識や技術の獲得、能力の向上を目指す等、試行錯誤を繰り返し、独自の構想力をもって既存の枠組みを超えた新たな価値を創造しようとする(ゼロをイチにする様な)挑戦的な留学計画
<挑戦例> ・新たな社会の在り方を模索する計画 ・新たな産業、事業、技術、商品・サービスを生み出そうとする計画 ・グローバル・サウスにおける挑戦的な計画
STEAM コース、100人:
日本及び世界の社会課題解決のための技術革新や新産業創出に貢献するSTEAM(Science, Technology, Engineering, Art, Mathematics)領域における留学計画
<留学分野例> 1.環境・エネルギー分野 2.ライフサイエンス分野 3.ナノテクノロジー・材料分野 4.情報通信分野 5.社会技術・社会基盤分野 ※例示以外のAIや量子コンピューティング等の先端技術分野や融合系分野等の留学計画であっても応募可能です。
ダイバーシティコース、100人:
派遣留学生の専門領域における課題解決に取り組む留学計画。スポーツ、芸術、人文学、社会科学、総合知領域等を含む多様な領域の留学計画を支援します。
奨学金の金額と期間
留学先の地域と家計基準によって、月額6万、12万、16万のどれかになります。
留学準備金(事前・事後研修参加費、往復渡航費、査証取得や予防接種等、留学準備にかかる費用)として、アジア地域の場合は21万円、それ以外の地域では35万円が支給されます。
授業料として、一律で30万円が支給されます。
応募の方法と期間
学校を通して応募します。入学予定の場合は、予定先の学校から。
学生から学校への応募締切の期限はそれぞれの学校によって異なります。学校に尋ねましょう。
学校から機構への応募締切は、二種類あります。
1,新大学1年生以外は2025年 2月28日。
2,新大学1年生は4月24日。
出典: 公式サイト
https://tobitate-mext.jasso.go.jp/news/detail.html?id=493#guideline
応募書類
(ⅰ)応募者基本情報
(ⅱ)留学計画の概要 <記載内容(一部)> ・留学計画のタイトル(65字以内) ・留学の目的、留学計画の達成目標及び概要(1000字以内)
▶実践活動を含めてください。また、本制度の応募するコースで自身が留学することの意 義を含めてください。
▶イノベーターコースは、何が社会において挑戦的なのかを含めてください。
▶新大学1年生の募集に応募する場合は、1年生での留学を希望する理由(なぜ1年生で留学し たいのか)を含めてください。
(ⅲ)受入れ機関情報及びスケジュール <記載内容(一部)> ・希望している留学先国・地域、受入れ機関、留学期間の情報 ・留学の成果及びその測定方法の詳細(400字以内) 等 ・期待できる留学の成果の活用(500字以内)本制度での留学後、在籍大学等在学中及び将 来にどのように成果を活用するかを記載してください。
(ⅳ)留学計画の実現可能性 <記載内容(一部)> 等 ・留学計画の実現のための具体的な取組(500字以内)受入れ機関との交渉状況や具体的に思 考していることを記載してください。 ②アンバサダー活動及びエヴァンジェリスト活動(オンライン入力) 等 「トビタテ!留学JAPAN新・日本代表プログラム」に対して自分が貢献できることとしてのア ンバサダー活動及びエヴァンジェリスト活動について記載してください(500字以内)
※それぞれの活動の目的と手段を明記してください。特に留学中に行うアンバサダー活動は、 活動を通じて留学先で同世代のユースリーダーや活動領域に精通した方、世界のリーダー育 成団体等と繋がりをもてることを期待しています。活動によりどのような人とどのように繋 がりをもてる予定と考えているかを含めてください。
③自由記述欄(PDF添付)
(ⅰ)自由記述書(PDFでA4サイズ2枚以内) 自身の考え、想いやアピールポイント等を文章以外にも図、画像等を用いて、自由に表現し てください。 ・留学によってどんな自分になりたいか ・困難を克服した経験。過去に困難に直面したときにどのように対応し、その経験から何を 学んだかを記載してください。 ・留学を通じて得た成果を社会へどのように還元するか ・その他自己アピールポイント
(ⅱ)受入れ機関の受入許可書等、留学計画の実現可能性を証明できる文書等の写し(PDF)
※応募時に既に用意できている場合のみ提出してください。
④実績(イノベーターコース及び新大学1年生のみ。オンライン入力及びPDF添付) ※新⼤学1年⽣でイノベーターコースに応募する場合は、
④( ⅱ )「 新⼤学1年⽣(全コース対象)」のみ記載してください。
(ⅰ)イノベーターコース
受賞歴や掲載記事等の対外的な評価及び⾃⾝で実績と考えているものについて箇条書きで記 載してください。詳細について記載したい場合は、③(ⅰ)⾃由記述書に含めてください。 また、実績を証明する書類の添付(任意)はPDFでA4サイズ3枚以内としてください。
(実績記載例) ・2024年8⽉××コンテストにてグランプリ受賞 ・2024年3⽉△△プロジェクトの××支部を立ち上げた ・××アプリの試作を作った ・地域住⺠と××についてのボランティアを実施し、代表として2年間活動した ・××の研究成果で△△新聞に掲載された ・××の国際学会で△△について招待講演をした
・国連関連組織で××についての調査を現地で実施し、△△のレポートを国際会議で報告した ・××の国について3度訪問し△△についての実地調査を実施した ・⼤学1年⽣の時に××のビジネスに着⼿し、△△万円の売上を出した ・××のサービスを提案し、△△企業で新規事業のインターンとして採⽤され2年後にサービスをローンチした 14
大学1年生(全コース対象)
これまで(⾼校時代等)に⼒をいれて取り組んだこと(何かに疑問・興味を感じ、⾃分で深く考え⾏動した経験)を記載してください。(300字以内)
※新⼤学1年⽣でイノベーターコースに応募する場合は、受賞歴や掲載記事等の対外的な評価及び⾃⾝で実績と考えているものがあれば併せて箇条書きで記載してください。実績を証明する書類の添付(任意)はPDFでA4サイズ3枚以内としてください。
※新⼤学1年⽣でSTEAM及びダイバーシティコースに応募する場合は、実績を証明する添付書 類は不要です。
※応募書類毎の記載内容詳細は、応募申請を行うシステム(12月2日公開予定)にて確認してください。
※添付書類は全てA4サイズに統一して作成してください。
※応募書類は日本語で作成してください。
※応募書類に不足や記入漏れ等の不備がある際は、審査の対象とならない場合があります。
応募書類作成のコツ:受かるにはどうすればよい?
ここから、トビタテの応募書類の書き方のコツをできるだけ具体的に説明していきます。
私自身は文系の博士(Ph.D)であり、これまで、海外留学で利用したものを含め、合計で1800万円以上の返済不要な奨学金を競争で獲得してきました(この記事が信頼性の高いものであることを裏付けるために、あえて述べています)。学生の頃から、このような奨学金獲得のための書類をたくさん書いてきました。
その経験をもとに、奨学金獲得の合格率をあげるためのノウハウをここで公開します。もちろん、全文を無料で読めるようにしています。奨学金を本当に獲得したいと思う方は、参考にしてください。
次の順番で、応募書類を書いていきましょう。
1,応募書類が審査されるときの基準を理解する
2,その基準に合致するよう、応募書類を書く。(応募理由や探究活動、自己PRなどの各項目の執筆のコツを具体例とともにお教えします)
応募要項では、あなたの応募書類を審査する際の基準が示されています。それを熟読し、理解しましょう。その基準に合致する内容んしましょう。その基準を応募要項からみてみましょう。
1,応募書類の審査基準を理解しよう
あなたの応募書類は審査員によって読まれ、合否が決められます。審査員はどのような基準で、合否を決めると思いますか?審査や採点の基準はなんだと思いますか?どうやったら、あなたはより多くの点数を稼いで、合格に近づけると思いますか?
あなたはまず応募書類の採点基準を知るべきです。では、採点基準はなにか。答えは簡単です。なぜなら、採点(審査)基準は応募要項に書いてあるからです。よって、まずはこの基準をよく理解しましょう。そのうえで、この基準に合致するよう、応募書類をつくっていきます。
審査の基準
派遣留学生の選考は、将来、「自ら社会に変革を起こしていくグローバルリーダー」として日本の未来を創る人材を育成するという観点を基本方針とします。
留学を経て、将来「自ら社会に変革を起こしていくグローバルリーダー」として、 産業界を中心に社会で求められる人材
世界を視野に入れ、国境を越えて活躍し、日本・世界に貢献できる人材
新たな課題発見・解決や、新たな技術の獲得・能力の向上等に意欲的にチャレンジし、社会にイノベーションを起こしていく人材
柔軟な姿勢で周囲と協働しながら日本及び世界の課題解決に取り組み世界を牽引していく人材
様々な困難や変化に対し、既存の概念に捉われず自ら行動を起こし新たな価値を生み出していく精神(アントレプレナーシップ)を有する人材
上記に基づき、書面審査(一次審査)及び書面審査合格者を対象とした面接審査(二次審査) によって選考を行います。
審査対象になるのはあなたの「人物」と留学の「計画」
審査は「人物」と「計画」の2つの観点から行います。「人物」の観点をより重視します。
主に人物面は支援企業の人事担当者等、計画面は大学教員等の学識経験者が評価します。 ただし、イノベーターコースの人物面は、支援企業の人事担当者等ではなく、イノベーターやアントレプレナーとして社会で活躍されている方が評価し、他2つのコース以上に「人物」の観点を重視します。
→人物の審査員が学校の関係者ではなく企業関係者であることに注意しましょう。あなたが学校や勉強でどれだけ優秀であっても、社会やビジネスで役に立たなそうなら、高い評価を得られないでしょう。あなたは一般企業で働いている人たちに高い評価を得られるような人物であることをアピールする必要があります。
① 人物(求める人材) 本要項の「4.求める人材像」で示したような人材であること。
② 計画(留学計画の内容)
・留学の目的及び達成目標が明確に設定されているか
・留学計画が留学の目的や目標を達成するために適切であるか
・応募コース及び枠に応じた目的、達成目標及び留学計画となっているか
・留学成果の測定方法や活用について具体に計画されているか
・留学により得た経験や成果を活かし、自ら社会に変革を起こしていくグローバルリーダーになるための将来のビジョンを持っているか
・留学計画の実現に向けて具体的に考えているか
※応募時点における受入れ機関の確定の有無よりも、留学計画の内容が留学の目的に沿っているか、留学計画の実現に向けて具体的に考えているかどうかを重視します」。
上述の「4. 求める人材像」とは
本制度では次のような人材を派遣留学生として支援します。
(1) 日本の未来を創る将来のグローバルリーダーとして、留学を通じて以下に掲げる素養を身につけようという意欲を有する人材
・ 世界の人々との交流を通じた経験から学び、多様な価値観を柔軟に取り入れようとする態度
・ 世界のグローバルリーダーと対等に渡り合い、国境を越えて活躍し、日本・世界に貢献したいという高い志
・ 様々なことに好奇心、探究心を有し、未知の領域に対しても果敢に挑戦する姿勢
・ 失敗から試行錯誤しながらも挑戦し続ける強い精神力
・ 独自の視点や考えを有し、自らの志を先例に捉われずに具体化するための思考力と行動力
・ 集団活動においてイニシアチブをとり、対話・協働しながら、周囲を巻き込む能力
・ 専門性を有しながら、既存の分野・領域に捉われず広い視野を持ち、社会課題の解決に取り組む能力
(2) 「新・日本代表プログラム」の派遣留学生としてふさわしい規律ある行動をとる自覚と自律性を有する人材
(3) 本制度で実施する事前・事後研修、派遣留学生ネットワーク等における教育課題や本制度における諸活動(アンバサダー活動、エヴァンジェリスト活動、独自の情報システムを通じた企業や学生等との交流等)に主体的に参画する人材
また、本制度では派遣留学生が留学を通じて得たものを社会に還元し、将来「自ら社会に変革を起こしていくグローバルリーダー」となり、日本の未来を創る人材として活躍することを期待します。
※「自ら社会に変革を起こしていくグローバルリーダー」として期待する人材像
産業界を中心に社会で求められる人材
世界を視野に入れ、国境を越えて活躍し、日本・世界に貢献できる人材
新たな課題発見・解決や、新たな技術の獲得・能力の向上等に意欲的にチャレンジし、社会にイノベーションを起こしていく人材
柔軟な姿勢で周囲と協働しながら日本及び世界の課題解決に取り組み、世界を牽引していく人材
様々な困難や変化に対し、既存の概念に捉われず自ら行動を起こし、新たな価値を生み出していく精神(アントレプレナーシップ)を有する人材
2,審査基準に合致した応募書類を書く
トビタテ留学Japan(大学生等)の目的や性格を理解する:課題解決型の留学
→留学というと、通常、あなたの興味のある分野にかんする知識を習得し深めるのが目的でしょう。そのために、留学先で興味のある分野の学部に入って、関連する授業に出て、単位をとるわけです。
すなわち、主に座学をしにいくのです。留学が終わった頃には、あなたはその分野についてそれなりの知識をえています。もちろん語学力アップなども付随します。
しかし、トビタテ留学Japan(大学生等)の目的はそれとはかなり異なります。自ら重要な問題や課題を見つけて設定し、それを解決するための留学。それがトビタテの求める留学です。
なぜそういえるのか。たとえば、トビタテが設定する三つのコースは、どれも「課題を解決する」ためのものです。さらに、トビタテの審査基準でも、社会の問題を解決するようなイノベーターが求められているのがわかります。
トビタテの留学自体が、留学生をそのようなイノベーターへと成長させるための訓練や練習の一つとして想定されています。
よって、どのコースを選ぶにせよ、あなたはなにかしらのジャンルで重要な問題を自ら設定して解決するイノベーターになるための留学計画を立てることが求められます。
このような課題解決型の留学プラン(と関連する奨学金)は世界的にも増えてきています。トビタテのこのような目的や性格をしっかり理解しておきましょう。
座学は禁止されていない
もっとも、トビタテの留学事業はあなたが留学先の大学で座学の勉強をすることを禁止していません。あなたの留学目的に関係する限りで、座学をすることも認めています。
それでも、トビタテが課題解決型の留学を重視しているのは明らかです。トビタテの留学では、なんらかの課題解決を必要条件としているのにたいし、座学を任意としているからです。すなわち、トビタテの審査員にとって、留学先での座学はあってもなくてもよいものなのです。
したがって、トビタテ(大学生等)に受かるには、この課題解決の留学という視点において、あなた自身の人物と留学計画が優れたものであることをアピールすることが重要です。
3つの要素
トビタテの留学では、主に三つの要素が重要です。(重要な)問題の設定、解決、その成果の普及です。
留学によって解決したら終わり、ではありません。その成果を自ら社会にアピールし、広めることも重要視されています。イノベーターとして社会を変えるには、普及させることも必要だからです。アンバサダー活動やエヴァンジェリスト活動はこの普及に関連する活動です。
書き方のコツ:応募書類の項目ごとに
ここから、トビタテ(大学生等)の応募書類の書き方のコツを主な項目ごとにみていきましょう。
(ⅱ)留学計画の概要
・留学計画のタイトル(65字以内)
・留学の目的、留学計画の達成目標及び概要(1000字以内)
留学計画では、あなたがどんな留学の目的をなぜ抱くようになったのか、それをどうやって実現したいのか、その成果を使って社会にどんな影響を与えたいのかを書きます。あなた自身の言葉で書くことが求められています。
より詳しくみていきましょう
三つのコースに共通すること
1,「留学の目的」、すなわち挑戦したいことを書きます。
→この目的は、ある程度おおまかでよいです。さらに、この目的は留学先の現地社会で主体的な活動をすることによって達成されるようなものにします。審査基準に合致するようなものにしましょう。たとえば、「ブラジルの日系移民の抱える問題を解決したい」など。
2,この目的を抱くようになった背景を書きます。
→あなたはどのような具体的体験や経験によって、そのような留学を決意したのか。誰かの話を聞いたためか、ボランティアなどの経験をしたためか、なにかの本を読んだためか、など。
留学に行きたい熱意や好奇心をアピールしましょう。
3,より具体的な「留学計画の達成目標」を書きます。
→「留学の目的」は大まかなものです。いわば、大きな目標です。これにたいし、「留学計画の達成目標」はより具体的なものです。実際に達成できたかどうかを測ることができるようなものです。
たとえば、「留学の目的」が「ブラジルの日系移民の抱える問題を解決したい」だったとしましょう。「留学計画の達成目標」の例としては、「日本で働きたいブラジル日系移民のニーズに合致した日本語学習支援アプリをつくる」や「ブラジル日系移民のために、日本の伝統を伝えるための日本風のお祭りを現地で新たに立ち上げる」などです。
このように、達成できたかどうかがわかりやすい具体的な「達成目標」を立てます。
3b:達成目標は留学先での実践活動を含む
→達成目標はその留学先にいかなければ達成できないものにします(日本にいても達成できるなら、だめ)。留学先の現地社会で、現地の人たちとやり取りすることで、ようやく達成できる目標です。
上述のように、トビタテの留学計画には、「実践活動」が必要です。フィールドワークやインターンのような体験型学習の活動です。これは言い換えれば、留学先の現地社会でのやり取りによる学びです。
※注意点:限られた予算と時間で達成できる目標にしましょう
→トビタテ留学の奨学金の金額と期間は限られています。金額は行き先によって異なりますが、それほど多くありません。期間は最長で1年間です。これらの制約の中で達成できる目標にしましょう。設定された予算と期間、場所(留学先)で、その目標を達成できるのか?
3c:なぜトビタテか、なぜそのコースを選択したのかを説明する
→関連して、これらの理由を説明します。あなたの達成目標がどのコースに、なぜ属するのか。
「なぜトビタテか」の問いについては、いくつかの答えが考えられます。たとえば、留学の奨学金制度でトビタテほどの資金を提供する奨学金制度があまりないこと。
あるいは、あなたの留学の目標の大部分が課題解決にあるなら(=留学先での座学がそれほど重視されていないなら)、「課題解決型の留学奨学金を探し求めていたから」という理由もあるでしょう。この理由はトビタテの審査員を喜ばせるでしょう。実際に、日本でこのタイプの留学の奨学金はまだまだ少ないのが現状です。
※達成目標と座学の関係?
→上述のように、あなたは留学計画に大学での授業を含むことができます。ただし、あなたの留学の目的や留学計画の達成目標に関係する授業だけに参加できます。
逆にいえば、興味のある大学のプログラムがあるなら、それに参加することで達成されるような留学の目的や留学計画の達成目標を設定する必要があります。
たとえば、日本のお祭りをブラジルに導入するには、そもそもブラジル文化を知る必要がある。よって、ブラジル文化にかんする大学の授業に出て、その知識を得る、など。
4,留学の目的をどうやって達成するのかを簡潔に書く
→この方法や手段については、後で詳しく書くことになります。よって、ここでは、必要最小限で簡潔に説明しましょう。
5、留学の成果を日本や世界にどのように活かしたいのかを簡潔に書く
→課題を解決し、社会を変革していく。それがトビタテの留学です。あなたの解決した課題(達成した目標)が社会にどのように役立つのかを説明しましょう。もしあなたの達成目標には社会的意義がなさそうなら、達成目標を考え直す必要があります。社会に役立つ目標にしましょう。
この社会的意義についても、後で詳しく書くことになります。よって、ここでは必要最小限に書きます。
イノベーター・コースを選んだ場合
→イノベーター・コースを選んだ場合には、さらに、次のようなポイントが重要になります。応募要項や他の配布資料には、次のように書かれています。
あなたの留学計画の「何が社会において挑戦的なのかを含めてください」。
「何がコンセプトで何をゼロからイチにするか(したか)※先行の取組や研究の少ない分野に挑戦するあるいは既存の取組に対して新しい切り口で挑むような未来性、新規性(新たな発明)、進歩性のある計画かどうかを重視します」。
「課題発見、解決に前向きに取り組み社会にイノベーションを起こしていく人材になりうるか✓チャレンジ精神・アントレプレナーシップを持ち、将来イノベーターとして活躍する人材になりうるか✓なぜ新たな価値の創造として着眼したのか。
その分野が本当にゼロかどうかよりも、そこに至った考えや想いの背景を自分の言葉で説明し、自らをゼロイチ人材だと熱意をもって紹介できる人材かどうかを重視。
「とにかくやってみるチャレンジ精神があるか。失敗を恐れずに何度でもチャレンジし前進できる(シリアルアントレプレナーの素養をもつ)人材かどうか」。
→あなたが0を1にするような革新を計画していること、それを実現できる資質を持っていることを示しましょう。先行する他者の業績をしっかり調べられているか、あなたに将来性があるか、新たな事業を立ち上げる資質があるか。
・新大学1年生として応募する場合(三つのコースに共通)
→この場合には、次のようなポイントも重要になります。応募要項や他の配布資料には、次のように書かれています。
「1年生での留学を希望する理由、なぜ1年生で留学したいのか※なぜ大学1年生枠で行くのか、その後どのように生かしていくのかが明確に示されている計画かどうかを重視します。
なぜ今、1年生で留学し何を学べると考えているのか、それをその後どう生かしていくのかを自分の言葉で説明できる人材かどうか。
これまで(高校時代等)に力を入れて取り組んだこと、何かに疑問・興味を感じて自分で深く考え行動した経験はあるか」。
→あなたの留学の目標を抱いた理由や背景が高校時代か中学時代に遡れるとよいでしょう。
たとえば、あなたが中学や高校の頃になんらかの問題意識を抱くようになった。できる範囲で少しずつ、その解決のために行動し始めた(調べごとやボランティアなど)。今年4月に大学生となり、その延長線上で、その解決にこれからも取り組みたいと思っている、という流れです。
「なぜ一年生か」の理由について。これをしめすには、大学四年間の大まかな計画を示すとよいでしょう。大学一年目でのトビタテ留学で、何を学ぶ予定なのか。大学二年目以降に、このトビタテ留学の成果を踏まえて、なにをする計画なのか。その計画がしっかりしていれば、「一年生の段階でトビタテ留学が必要だ」と納得してもらえます。
具体的にどのような大学の計画になるか。それは、あなたの留学の目的と、あなたが大学で学ぶこと(どの学部かなど)によって決まってきます。
※この留学目的などの項目は1000字以内です。短すぎて書けないこともでてくるでしょう。その場合は、簡潔なまとめをこの項目で、詳細を自己PRで書くようにしましょう。この項目では、「詳細は自己PRで記す」と書いておきましょう。
たとえば、トビタテ留学の背景や熱意は自己PRでしっかり書くべきことです。
タイトルについて
→なにがあなたの留学計画の中核的要素かを考えます。その要素を的確に表すキーワードがなにかを考えましょう。
留学計画なので、留学先はどこであり、なにを達成するつもりなのかをタイトルに含めましょう。
トビタテ留学生のその後の人生とは?(画像をクリックすると動画が始まります)
公式紹介動画
(ⅲ)受入れ機関情報及びスケジュール
「・希望している留学先国・地域、受入れ機関、留学期間の情報
・留学の成果及びその測定方法の詳細(400字以内) 等」
→ここでは、あなたの留学計画を具体的に書きます。いつ、どの国のどのような機関(大学やNPO団体など)で、どのような手段で、どんな目的を達成しようとするのか。
留学によって、その目的・成果が達成できたかどうか。それを評価・測定する基準をも設定するよう求められています。この基準は数値化できるとベターです。審査員にもわかりやすいためです。
基準が数値化しにくいケースもあるでしょう。その場合には、留学先の受入れ機関の担当者に、評価・測定者になってもらうのもよいでしょう。たとえば、その期間でのあなたの活動を10点満点で評価してもらいます。6点以上なら合格、8点以上なら優秀、など。
この場合、あなたがいずれ直接それをその人物に依頼する必要があります。留学前に依頼して、その人物に承諾してもらえると、ベターです。あなたの留学計画の評価が高まります。
ほかの方法としては、なにかの資格をとる、テストをクリアするなどがあります。アプリなどをつくるのが目標なら、それもクリアしたかがわかりやすくてよいです。あなたの留学計画に適した方法を選びましょう。
なお、留学前にどれだけ準備できているかは、後述の「(ⅳ)留学計画の実現可能性 等」で書くことになります。(ⅲ)受入れ機関情報及びスケジュール では、あくまでスケジュールや予定の全体像だけを書きます。
下調べが重要
→(ⅲ)では下調べがとても重要です。あなたが自ら課題を発見し、それを解決できる能力をもっているのか。それをチェックしています。
社会の重要な問題を課題に選ぶこと。それを解決するための方法を、周囲のひとたちの協力をえながら、見つけること。あなたにそれができるのか。それらを、このスケジュールや計画でチェックしています。
期待できる留学の成果の活用(500字以内)
「本制度での留学後、在籍大学等在学中及び将来にどのように成果を活用するかを記載してください」。
→あなたにとって、トビタテの留学はゴールかもしれません。しかし、トビタテの審査員はそうだと考えていません。トビタテはあなたが社会のイノベーターへと成長することを求めています。この留学はそのための一つのステップにすぎないと想定しています。
そのため、あなたはこの留学の成果を使って、イノベーターとして成長することが求められています。在学中と将来において、この留学の成果はこの成長の点でどのように役立つかを考えましょう。
具体的には・・・
より具体的にいえば、こうなるでしょう。あなたには、イノベーターとしての将来の大きな目標があります。それは社会にすばらしい影響を広範に与えるような目標です。
それを達成するには、まずは小さな目標をいくつか順番に達成していくのが一般的です。トビタテ留学はその1つとなります。
よって、トビタテ以外の小さな目標と将来の大きな目標を考えましょう。トビタテの目標・成果が将来の大きな目標のためにどう役立つか。将来の大きな目標はなんらかの仕方での社会への大きな貢献です。よって、トビタテの成果がどのような仕方で社会によい影響を与えるかを書くことになります。
たとえば、トビタテの留学目的が「ブラジル日系移民のニーズに合致した日本語学習支援アプリをつくる」だとしましょう。
将来の大きな目標として、「日本を、多様な外国人の移民が幸せに暮らせるような国にしたい」などが考えられます。トビタテ以外の小さな目標としては、ブラジル以外の移民にかんする施策などが考えられるでしょう。
(ⅳ)留学計画の実現可能性 等 ・留学計画の実現のための具体的な取組(500字以内)
「受入れ機関との交渉状況や具体的に思考していることを記載してください」。
→あなたの留学計画は成功する見込みが高い。審査員にそう思わせるよう書きましょう。そのためには、あなたが入念に準備してきたと示すことが重要です。それを示すのが、この項目です。
上述のように、トビタテの審査員はあなたが自身で課題を設定し、それを周囲の人たちの協力のもとで解決するよう、求めています。しかし、あなたの留学計画がずさんな場合、あなたにはその能力がないと思われます。この項目がどれだけ重要かが理解されたでしょう。
当然、ここでも下調べが重要です。
ポイント:具体性
書くときのポイントをあげましょう。
できるだけ具体的に書きましょう。たとえば、「研修プログラムに参加する」よりも、「●●大学の研修プログラム(1週間で予算☓☓ドル)に参加する」と書いたほうがよいです。日付も決まっているなら、書いたほうがよいです。
事前の交渉を勧めること
留学先の受入予定の機関とできるだけ交渉しておきましょう。たいていはSNSやメールで連絡できるはずです。受け入れ機関から受け入れの承諾を得ることがベターです。
得ることができていなくても、「受け入れの交渉を開始しており、相手の返信を待っているところ」と書けばよいです。交渉していないよりも、交渉中のほうがよいです。
入念に準備していることのアピール方法として、昔から長い時間をかけて下調べしてきたことを記すのもよいでしょう。たとえば、2年前からトビタテへの応募を決めたので、少しずつ情報を調べてきた、など。
ただし、実際の準備の内容が少なすぎると、逆効果になることには注意しましょう。「2年間もかけてこれだけ?」と思われるのは問題です。
そもそもの話ですが、この計画があなたの留学の達成目標に適したものである必要があります。たとえば、明らかにやることを詰め込みすぎて、予算オーバーになっているのはダメです。
トビタテ留学生のその後の人生とは?(画像をクリックすると動画が始まります)
公式紹介動画
②アンバサダー活動及びエヴァンジェリスト活動
「トビタテ!留学JAPAN新・日本代表プログラム」に対して自分が貢献できることとしてのアンバサダー活動及びエヴァンジェリスト活動について記載してください(500字以内)
※それぞれの活動の目的と手段を明記してください。
特に留学中に行うアンバサダー活動は、 活動を通じて留学先で同世代のユースリーダーや活動領域に精通した方、世界のリーダー育成団体等と繋がりをもてることを期待しています。活動によりどのような人とどのように繋 がりをもてる予定と考えているかを含めてください」。
→アンバサダー活動とエヴァンジェリスト活動は宣伝活動です。あなたの留学計画と関連付けるのが望ましいでしょう。
アンバサダー活動
アンバサダー活動とはなにか。ニュースなどで、「●●県観光大使」のような肩書をみたことがあるでしょう。アンバサダーはこのような意味でのPRをする「大使」です。トビタテの場合は、日本を留学先にPRする大使です。
具体的な目標や手段だけでなく、ターゲット層も示すとよいです。
アンバサダー活動については、上述のように、留学先のリーダーたちとのネットワーク形成が期待されています。これが評価ポイントとして強調されていますので、この部分をよく調べて書きましょう。
エヴァンジェリスト活動
エヴァンジェリスト活動とは、もともと、キリスト教の布教活動という意味です。キリストの教えの素晴らしさを異教徒に伝えたい。そのような宣教師などの活動です。この概念がビジネスで転用され、より世俗的な意味合いで使われるようになりました。
トビタテの場合、留学の良さや魅力を伝えるための「布教活動」がエヴァンジェリスト活動です。この項目では、その方法を書くことになります。
トビタテは今後も留学の希望者をどんどん増やしていきたいと望んでいます。あなたがあなた自身の留学経験(もちろん、これからする予定のものですが)を使って、どのようにしてトビタテの希望の実現に貢献できるのか。それを具体的に示します。
印象に残るようにするなら、あなたの留学計画の内容と関連付けたほうがよいでしょう。あなた独自の方法が好ましいです。
ちなみに、ここであなたが主にアピールすることになるのは、中学や高校ならびに大学の同世代の人たちだということを意識しましょう。
同時に、留学の希望者を増やすには、親の世代の関心をひくことも大事です。よって、あなたと同世代には●●のアプローチ、親世代には▲▲のアプローチというふうに分けるとよいでしょう。
ここで、注意点です、大半の審査員はあなたと同世代ではありません。若い世代の人しか知らないような方法を選ぶ場合には、おじさんやおばさんの審査員でも理解できるように説明しましょう。
③自由記述欄(PDF添付)
(ⅰ)「自由記述書(PDFでA4サイズ2枚以内) 自身の考え、想いやアピールポイント等を文章以外にも図、画像等を用いて、自由に表現し てください。
・留学によってどんな自分になりたいか
・困難を克服した経験。過去に困難に直面したときにどのように対応し、その経験から何を 学んだかを記載してください
・留学を通じて得た成果を社会へどのように還元するか
・その他の自己アピールポイント」
→まず、この自己PRを書く際の前提となるポイントを4つ示します。その後に、具体的になにを書くべきかを示します。
前提となるポイント
1,トビタテの自己PRの目的をしっかり理解しよう
→この自己PR文の目的はなんだとおもいますか?審査員に自分をよく知ってもらうため(自己紹介)?自分のよい印象を与えるため?
いいえ、違います。あなたがトビタテの留学生としてふさわしいことを審査員に説得することです。自己PRはその説得の手段です。この自己PRはあなたをありのままに紹介する文章ではありません。トビタテに採用してもらうために説得する文章です。トビタテのほかの全ての応募書類の目的も同じです。
よって、説得に役立たない部分は、書かないようにします。その分、説得に役立つ部分は、掘り下げて詳しく書きます。
説得の方法はこれまで説明してきました。自己PRでも同様に行っていきましょう。より具体的な方法は後述します。
2,自己PRの内容とこれまで書いてきた内容が矛盾しないよう気をつけよう。
→ここまでの間に、あなたは実質的に自己アピールをいろんな部分でしてきたことになります。それらの内容とこの部分の内容が矛盾しないよう気をつけましょう。
自己PRの部分では、それまでの自己PRを体系化して、まとめて提示することにもなります。
3,紙幅の制限に気をつけよう
自己PRはA4サイズが2枚だけです。全て文章で埋める必要はありません。文章だけなら,4000字程度です。あなたの留学計画に合う方法を選びましょう。文章がメインの場合でも、図表を効果的に用いるとよいでしょう。
見出しをつけたり、強調したい部分を太字にするなどして、読みやすく工夫しましょう。ただし、太字などは強調したい部分だけにしましょう。太字だらけになると、効果がありません。
それぞれの審査員が大量の応募書類を限られた時間の中で大量に読んでいる可能性があります。そのため、読みにくい応募書類は落とされやすくなります。読みやすさを工夫することが大事です。
4、自己PRで書くのは、「あなたの成長の物語」である
あなたが自分自身のどのような目標や夢に向かって、これまでどのように努力し成長してきたのか。さらに、トビタテの奨学金を獲得して、どのように成長していきたいのか。このようなことを書きます。
自己PRで具体的に、なにを書くべきか
それでは、何を書くべきかを示していきましょう。適切な書き方のパターンはいくつかあると思います。その中で、多くの学生にとって使いやすいものを一つ紹介します。
1,三つの目標(夢)を提示する
1つ目の目標は、あなたがこれまでにすでに示してきたものです。トビタテ留学で実現したい目標です。
2つ目の目標は、10年後の目標です。中期的に実現したい目標です。卒業して数年後に達成できる程度の目標です。ある程度は具体的に書けるぐらいのものです。
3つ目の目標は、あなたが生涯をかけて実現したい目標や夢です。あなたは定年まで40−50年あります。よって、4−50年を使って実現したい夢や目標です。関連して、どういう人間になりたいか(理想像)を書くのもよいでしょう。
トビタテでは、あなたの将来の可能性をはかろうとしています。大きな可能性のありそうな学生に、奨学金を与えようとします。そのため、将来の大きな目標や夢を示しましょう。
これは大きな目標ですので、それなりに漠然としていてもよいです。ポイントとしては、これまで通り、トビタテの審査基準に合致する目標であることです。特に、国際的な目標にしたほうがよいでしょう。
余裕があれば、あなたが「日本人」であることと関連付けたり、「日本」と関連づけたほうがよいでしょう。トビタテ留学は実質的に日本の税金で行われるためです。
たとえば、「日本人として、アフリカの平和に貢献したい」とか、「(日本も面している)太平洋の海洋資源を20世紀前半の水準にまで回復させたい」
とかです。
2,三つの目標を一つにつなぎあわせる
これら三つの目標を順番に達成されていくものとして提示しましょう。3つの階段(目標)を徐々にのぼっていくのです。1段目はトビタテ留学で、2段目は10年後の目標、3段目は生涯の大きな目標です
本当は、もっと多くの階段があったほうが現実的です。しかし、A4サイズが2枚だけですので、三つの目標で問題ありません。
たとえば、次のような例があります。
1,トビタテの目標:アフリカのスーダンでの紛争の最も重大な原因を現地で特定する
2,10年後の目標:スーダンなどのアフリカでの紛争解決に携わり、その和平実現に貢献したい
3,生涯の目標:日本人の一人として、アフリカの発展に貢献したい
3,三つの目標を立てた後、「なぜ」等の説明を加える。
「なぜ」その目標を選んだのかを書きます。トビタテの目標の「なぜ」はこれまでにすでに説明しているはずですので、ここで詳しく説明する必要はありません。
トビタテの応募書類作成のコツとして、しばしば、「あなたの夢や熱意を伝えよう」と勧められています。その具体的な方法の一つは、熱意をストレートにぶつけることです(ただし、伝わるように整理して書く)。
他の方法として、目標を選んだ理由(なぜ)を詳しく書く(文量を増やす)ことがあります。あなたには熱意があるのだとアピールするためには、詳しく書くことが重要です。
4,それらの目標を「どのようにして」実現したいかの説明を追加する。
第一に、トビタテ留学の目標の実現方法はこの応募書類ですでに書いてきましたので、あまり書かなくてよいです。余裕があれば、簡潔なまとめを添えればよいでしょう。
第二に、10年後の目標です。その実現方法を調べて書きましょう。たとえば、(留学後に)大学でどんなことを学ぶつもりか。どういう資格やスキルをえればよいか。どんな外国語を学ぶ必要があるか。
大学院でなにかを学んだほうがよいか。国際機関などの職種によっては、一度働いて実務経験を積んでから、大学院でスキルアップするなど。
ここでのポイントとして、あなたは夢のためにすでに努力していると示したほうがよいです。10年後の目標の実現方法が具体的に書けるということは、その証拠になります。
第三に、生涯の目標です。これは漠然としているでしょうから、具体的な方法はそれほど書かなくても大丈夫です。10年後から40−50年後の間に、目標実現のためにすべきことが見えていれば書けるとよいです。
関連するポイントとして、それらの目標を実現するために、これまでやってきたことを書くことがあげられます。すなわち、実現のためにこれから取る手段だけでなく、これまで取ってきた手段を書くことです。
すでに成功したことや、まだ成功せずに努力を続けていること。たとえば、関連する調べ物をしてきた(その結果、●●まではわかった。今後は▲▲を調べる見込み)とか、ボランティアに参加してきたとか。具体的な成果を示せるとベター。
これまでその目標のために時間をかけて努力してきたことを示すのが大事です。あなたが口だけでなく、熱意を行動で示す人間だと示しましょう
5,あなたにはそれらの目標を実現する能力があることを示す、その証拠を示す
それらの目標のために、あなたがこれまでどのように努力し、どのように成長してきたかを書きます。「この応募者はこれまで様々な努力をし、その結果、トビタテの奨学金にふさわしい資質や能力を獲得するほど成長してきた」。審査員にそう思ってもらうことが大切です。
あなたがその資質を獲得してきたといえる根拠を示しましょう。それは実績か経験です。
実績
もしあなたが誇れる実績をもっているなら、自己PRで示しましょう。大会での優勝や英検などの資格、継続したボランティア歴(●●を3年間やってきた、など)、学校での優れた成績などです
ここでのポイントは、それらの実績があなたの目標達成にどのように役立つかを示すことです。
たとえば、あなたが体操競技で世界大会に進出するぐらいの実績をもっていたとしましょう。あなたのトビタテなどの目標が「太平洋の海洋汚染を改善したい」だったとしましょう。体操競技の実績がその目標の手段としてどう役立つのかを示す必要があります。
あくまで、この自己PRはトビタテ留学にあなたがふさわしいことを説得するための手段です。すべての要素はその説得のために利用される必要があります。
よって、世界大会のような輝かしい実績がトビタテでの評価を高めるのにそのまま役立つとは限りません。あなたはあなた自身のトビタテなどの目標を達成する十分な能力をもっている。そういえるための根拠になるよう、あなたの「実績」を調整して利用しましょう。
逆に言えば、世界大会のような実績であっても、トビタテ留学応募の根拠として上手に利用できなければ、役に立ちにくいということです。
大半の人はそれほど傑出した実績をもっていないでしょう。それでも、このページで示してきた書き方のコツを知っていれば、普通の学生であっても、それらの世界レベルの学生にトビタテ応募では勝てるチャンスがあるのです。
あなた自身の「実績」がより小さなものであっても大丈夫です。重要なのは、あなたの目標を達成するための根拠として、それらを利用することです。小さな「実績」をいくつか探して、組み合わせて、積み重ねていきましょう。
経験
経験はいろいろあります。ボランティアやサマーキャンプだけではありません。いくつかあげてみましょう。
大家族の長男か長女として、たくさんの弟や妹の面倒をみながら、勉強して好成績をとってきた。ここから、時間管理と効率性の重要さを学んだ。
自転車屋さんでアルバイトをした。自転車の修理に興味を持ち、その仕組みに精通するようになった。工学への関心が深まると同時に、実際のものづくりの経験を積んできた。
以上のように、トビタテの目標や将来の目標に役立つようなどのような資質を、どのような手段で獲得してきたか。あなたの個人的なエピソードを根拠として、それを説明します。
※注意です。傲慢な印象を与えないようにしましょう。あなたは自分自身の活躍をアピールする必要がありますが、傲慢だと思われるのも問題です。
たとえば、他の人達とグループ活動して、成果をえたとしましょう。その成果があなた一人のおかげであるかのように説明するのは避けましょう。そこでのあなた自身の役割を示しましょう。
経験の書き方については、次のページで様々な具体例を載せています。受かりたい方は参考にしてください。
奨学金の自己PR等などの書き方:どのような経験によって何を学び、成長してきたか
トビタテ(大学生)の留学成果報告会のロングバージョン(画像をクリックすると動画が始まります)
ここまで読んだあとは
ここまで一通り読みましたか?まだコツをしっかり理解していないなら、しっかりと読み直しましょう。
それなりに理解したなら、コツを実践しましょう
実際に応募書類を書いてみましょう。書き始めると、「あれ、ここどうするんだっけ?」と思うこともあるでしょう。その場合には、またこのページに戻ってきて、内容を確かめましょう。
※もし応募書類の書き方で「これはどうすればいいの?」という問いがでてきた&このページに答えが載っていない場合
→当サイトの問い合わせページから、問い合わせることができます。件名には「トビタテ(高校生)」や「トビタテ(大学生)」などと書いてください。
ただし、質問する場合には、次の点に同意する必要があります。
1,質問への回答が得られるには、それなりに時間がかかります。こちらがかなり多忙であるためです。
2,質問する前に、このページを熟読してしっかり理解することが必要です。このページを読めば答えがわかるような質問には、回答しません。
3,受かるためのコツとして、重要性が低いと思われる質問には回答しません。
4,回答は、このページに直接載せることになります。たとえば、あなたが自己PRの書き方で質問した場合には、自己PRの箇所にその回答(となるような説明)を追加します。
一通り応募書類を書き終わったら、しっかりした人に読んでもらおう
応募書類を一度書いたら完成、ではありません。しっかりした人(学校の先生など)に読んでもらって、改善点をアドバイスしてもらいましょう。それにしたがって、応募書類をよりよいものへと書き直していきます。
※ここで重要な注意です。あなたの応募書類を読む人にも、①その奨学金の審査基準と②このページでの受かるコツの2点を熟読してもらい、しっかり理解してもらいましょう。そうしないと、読む人のアドバイスは役に立たない可能性があります。
読む人にはこれまで奨学金の応募書類をあまり読んだ経験がなかったとしましょう(それが普通ですが)。それにもかかわらず、その奨学金の審査基準も受かるコツも知らないなら、どうなってしまうでしょう。
見当違いなアドバイスになる可能性があります。役に立たないどころか、むしろ間違ったことを教えられて、有害にすらなってしまうかもしれません。そのため、読む人には、まず審査基準とこの受かるコツを熟読してもらい、それから応募書類を読んでもらいましょう。
最後に
読みにくくて分かりにくい文章は評価を下げる原因になってしまいます。わかりやすい文書の書き方(基礎編)などは、こちらで説明しています。
奨学金の応募書類(作文やエッセイ)の書き方のコツ<基本編>:初級者向け
※ところで、留学や教育やキャリアアップの資金をどのように貯めていますか?学生でも、それらの資金を貯めるコツがあるのを知っているでしょうか。定番の学割や自炊だけではありません。生活の質をできるだけ落とすことなく、コスパよくそれらの資金を貯めたい。そのためのコツを知りたい方はこちらへ。